住友重機械ハイマテクッス株式会社の歴史は、明治時代、別子銅山における鉱山道具類の製作修理を主とした「鍛造業」から始まりました。130年を超える長い時間の中で、その時々の社会ニーズを的確に捉えながら 柔軟に変革を重ね、様々な事業を展開してきました。現在、私たちが手掛ける仕事の中心は「ロール事業」「製鎖事業」「表面処理事業」の3事業であり、世界規模で変化・発展する各市場が求める新たな価値を生み出し続けています。
*このインタビューは2021年6月に行いました。
暑熱現場ではタイミングよく休憩がとれていなかった
―eメットをご使用いただいたのは、熱間圧延用ロールを主とした鋳鉄系、鋼系ロールなどの製造ロール事業の現場ですね。
はい、eメット IoTモデルを使用しているのは鉄を溶かし、型に流し込む作業や熱処理をする熱負荷の高い現場です。暑い時はWBGT*が50℃以上にもなるのですが、その作業環境の改善となると現実的に対策が限られることから、社内ルールを設けて適切に休憩をとるようにしています。しかし現状は、鉄を溶かし型に流し込むタイミングが決まっている等どうしても業務が優先され、状況により休憩がとれない時間が長くなることがあります。このような場合に、どれくらい熱中症リスクが高まっているのか不明でしたが、eメットを使用することで、各職場でリスクが高くなるタイミングを数値で理解できました。
*WBGT:酷暑環境下での行動に伴うリスクの度合を判断するために用いられる値
どの作業で熱ストレスが高いかを数値化して定量的に比較できたのは大きな成果
eメット IoTモデルの導入で、若い社員や暑さに慣れていない(暑熱順化ができていない)人の数値が高いと分かり、若い社員をチームで見守る「Me-mamoモデル」も使い始めました。このモデルは環境データやひたい温度から熱中症リスクを判断し、チーム内でしきい値以上の社員が出ると、各人のヘルメットに取り付けたアラートランプが点灯し、チーム全員に知らせてくれます。導入後は現場の熱中症リスクは各段に低下しましたし、働きやすい作業環境になったことから生産性アップにもつがなりました。お互いの体調を見守りながら運用することで、業務面でのチームワークや連帯感も強くなりましたね。
日々のメンテナンスの手間はなく、とてもスムーズに使っています
eメット IoTモデルは作業開始前にセンサーキットとスマートフォンを同期させますが、スムーズに接続できるので手間は感じないですね。Me-mamoモデルでも作業員から設定の煩わしさなどの声はありません。また、作業現場では輻射熱対策として防火帽を着用するのですが、輻射熱にも対応できるタイプのeメットも提案いただき、うまくデータ収集ができています。これからもeメットを最大限活用しながら作業者の働きやすい環境改善と生産性の向上を進めていきたいと考えています。