熱中症は絶対に減らせる労災。
でも、主観的判断で十分、と対策費用の投資に二の足を踏んでしまっている。
そんな経験はございませんか?
しかし、熱中症は企業として対策を講じなければならない疾病です。
企業は熱中症から、従業員を守らなくてはいけません。
企業がすべき熱中症予防対策と熱中症に関する法令のあれこれについて説明します。
安全配慮義務とは
まず、大前提として「安全配慮義務」という言葉を聞いたことがあると思います。
安全配慮義務は、従業員が安全かつ健康に労働できるようにするため、企業が負う義務のことです。
2008年に施行された労働契約法第5条によって明文化されています。
施行時は、労災によるケガなどで安全配慮義務違反が問題になっていました。
近年では、セクハラやパワハラによる安全配慮義務違反の有無が問題になっています。
労働基準法施行規則第35条で、労災の対象となる疾病が定められています。
熱中症もそのなかに規定されています。
厚生労働省の通達では「体温調節機能が阻害されるような温度の高い場所」での業務中に
熱中症を発症すると労災に認定されます。
熱中症予防対策に関する通達
過去に厚生労働省は熱中症予防対策における通達をし、警鐘とその対策を発信しています。
平成8年「熱中症の予防について」
平成17年「熱中症の予防対策におけるWBGT値の活用について」
平成21年「職場における熱中症予防マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei33/
この通達の中で共通して下記5点の措置を取るべきとしています。
①作業環境管理
・WBGT値を測定し、温度・湿度の低下に努める
・作業場所の近隣に冷房を備えた、もしくは涼しい休憩場所を設ける
②作業管理
・休憩時間を確保し、暑熱環境で作業を行う場合連続して行う時間を短縮する
・暑熱環境で作業者を作業させる場合、暑熱順化期間を設け該当作業を行うよう努める
③健康管理
・労働安全衛生規則に基づき、年に1回の健康診断の受診を義務付ける
・作業前に作業者の健康状態を確認するとともに、現場巡視を頻繁に行い
作業者の健康状態を留意させる
④労働衛生教育
・暑熱環境での作業の際、熱中症の症状、予防法、応急処置、事例など労働衛生教育を行う
⑤救急処置
・熱中症にあらかじめ備え、緊急連絡網を作成し関係者に周知する
・体を冷やす、水分・塩分の摂取を行い必要に応じて医師の診断を受けるなどする
上記のような措置を取っていない場合、安全配慮義務の違反になる可能性もあるため 注意が必要です。
実際の判例
平成28年 造園業
造園業者に勤務する34歳男性が、真夏の炎天下に剪定作業を行っていたところ 熱中症により死亡した事案。
慰謝料2,500万円、逸失利益1,680万円を認定し、労働者側の持病などを考慮し 結果
会社に3,600万円の賠償責任があるとしました。
環境整備
話は逸れましたが、熱中症による労災も例外ではなく、しっかりと対策を取らないと 違反する可能性があります。
例えば現場の職場環境だと
・適切な温湿度で作業出来るよう作業場所を整備し、適度に暑さを我慢させない。
・朝礼などで従業員に対し水分、塩分補給を促す。
・室温を24~26℃に設定した涼しい休憩場所を整備する。
など、職場環境を整備する義務があります。
参考までに…
一般的に熱中症になった場合ですが下記のような費用が発生します。
【熱中症の治療費(1泊2日)の例】
・救急救命センターに2日間入院:
・包括治療費:
・初診料:
53,000円
28,000円
4,000円
【熱中症の治療費(1泊2日)の例】
・救急救命センターに2日間入院:53,000円
・包括治療費:28,000円
・初診料:4,000円
熱中症治療費の合計は…
合計 85,000円
※加入している保険によっても変動します。
作業者同士の声掛けと1日の水分補給のドリンク1,000円ほどを考えると
非常に高い出費ですね。
まとめ
熱中症は企業が取り組まなければならない問題です。
安全配慮義務自体、作業者を守るものであり健康被害を生まないということが重要です。
熱中症患者が出ると弊害として現場がストップしたり
労働災害防止計画の見直しなど 見えない工数が降りかかってくることになります。
会社として従業員が働きやすい環境を整備し 労災から作業者を守りましょう。
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